ペーパーレス化の普及、買い物中の店頭や宅配を受け取る玄関先で、タブレット端末やスマートフォンに手書きサインを求められる事が増えてきました。手書きサインが、ネットワーク経由でリアルタイムに認証されるのかどうか、システムにどの様に保存されるのか気になるところですが、他方では、紙の書類にボールペンで名前や住所を手書きして印鑑の押印を求められるやり方も根強くあります。
後者の紙の書類は、受付けしたオフィスで社員さんやオペレーターさん達が、手書きの個人情報をシステム入力している、と思うところですが、書類をスキャナーでPDFデータ(あるいは画像)としてシステムに取り込む時、手書き文字を認識するAIに自動入力をやってもらって、紙の書類の情報をシステムにインプットする作業の効率化を実証しているそうです。 Microsoft IMEパッドの「手書き」に、読み方が分らない漢字をマウスで描いて漢字変換する方法があるように、手書き文字をシステムが判別して入力します。既存のデータベース上にすでに登録があるお客様情報ならば、例えば電話番号(携帯番号)が一致していればお客様のお名前を逆引きして手書き認識と一致させることができるので、システム入力も既存の顧客情報から引張って照合すれば、より正確でしょう。
ただし、すべての紙の書類の個人情報が、AIによる自動入力で完了できるとは限りません。手書き文字に、達筆や悪筆で読み取りづらいものもあるし、書類の様式のルールどおりではなく、記入欄からはみ出しているとか、行がズレているなど機械的に判別できないものは結構あるものです。AIが自動入力できなかった紙の書類などは、オペレータさん達の手入力の方が迅速に処理できます。
このような、手書き認証システムの経験から、こんどは手書きの文字の表記で、お客様「ご本人様の手書き」なのかどうか、筆跡をAIが判別できるかどうか、実証を行えるかもしれません。例えば、申込書を記入する時、代理でほかのご家族の誰かが記入したとか、店頭で担当の営業の方がお客様の情報を伺って記入することがあるかもしれません。手書き認証システムが、この書類はお客様ご本人の筆跡なのか、あるいはご本人以外の筆跡ではないか、という事まで判定する仕組みです。