日本語字幕

最近、テレビ番組(デジタル放送)の「字幕放送」や、ブルーレイ・DVDビデオで「日本語字幕入り」というものが気になります。テレビ画面のメニュー設定やリモコン設定で、字幕ON/OFF(表示/非表示)を切り替えることができます。ですが、視聴者側で自分の家のテレビでもこの設定ができることに実際まだあまり気付かれていないかもしれません。

音声は通常のボリュームのまま、日本語字幕と併用することもできます。番組表や画面上に「字幕放送」の記号表記などがあれば、録画でも字幕表示ができます。NHKの番組はほとんどこの表記があるようです。

たとえば、日本語の番組を視聴している時に字幕ONにすると、画面で聞こえている音声が日本語の文字で表示されます。 聴覚に障がいがある方々や、耳が遠くなりテレビの音声を聞きとることが面倒になってきた高齢者の方々向け…ってばかりでなく、消音や音量極小でしかもヘッドホンなしでテレビ視聴したい場合とか、録画ビデオを日本語字幕ONの状態でやや早送りで視聴とか。(1.6倍速まで日本語字幕付の視聴が可能でした)

普通の音声で番組視聴すると、テレビに集中して全部聴いていなければなりませんが、字幕ONなら一見して読めるので、ストーリーや番組進行をやや早く知ることができます。 在宅している時間が多いのに、見逃し録画が山積みで案外時間が足りないと感じる時など、 苛立つことなく視聴内容を把握することもできると思います。

また、日本語吹替で「二か国語放送」の番組で、吹替の声優さんの声より、出演者の生の声を聞いてみたいと思って音声を切替え、外国語の音声の内容が全部わからないので、日本語字幕を表示させて視聴…などという楽しみ方もできます。

「字幕」と言えば、本来は外国映画や海外番組の音声を日本語翻訳して、画面下方に表示させている「字幕版」ものです。この番組の場合は、字幕のON/OFFはできません。

最近の字幕版や吹替で、原版のセリフと字幕の日本文の意味が完全に一致していないかも、ストーリー全般はほぼ変わらないし、日本語訳は別バージョンの作品の日本語版として制作され、日本で公開されているのは構わないけど、各登場人物の決めゼリフの部分はとても大事だし…気になるところで。

その点、字幕放送の日本語字幕は、番組中の音声と字幕の表示はほぼ完全に一致を満たしていると思われます。

また、日本製のアニメビデオで日本語を勉強中、あるいは日本語ローマ字入力など練習中の方々が、結構いるんじゃないかと思います。テレビの日本語字幕をONにして、テレビを録画して、再生して、一時停止しながら、自分の好きな番組やビデオを使って、ゆっくりマイペースで日本語の聞き取りや読み書きの練習をすることができると思います。日本で作られたアニメ番組は世界中でとても注目されています。日本語字幕付き番組の視聴者は今後、もっともっと増えることでしょう。

ところで、この字幕放送はワンセグでも視聴できます。2014年頃ドコモのタブレット端末でワンセグ視聴の際、音声をオフ(消音)にしたところ、自動的に日本語字幕が表示されてきました。テレビ画面の中央辺りに、透過の四角枠でかなり大きな表示でした。

タブレットで視聴していたのは、以前見た邦画で映像は何となく記憶にあり、たまたま音声を消して字幕付きで再度見る機会だったのですが、途中から字幕を見ながら音声ボリュームを上げ、日本語のセリフを聞きながら字幕を見て映画を見ました。字幕を見たことで、以前自分が見たつもりの映画のストーリーを勘違いしていたことに気付きました。

またある時ドコモのタブレットのワンセグで、スポーツ中継の番組を字幕放送で起動しました。生中継でしたが、実況の音声が流れたあと5~10秒位少し遅れて、さっき聞いたばかりの実況の内容が、もう字幕で出てくるのに気が付きました。

一体どうやって、生放送の字幕を放送しているのでしょう。調べてみました。
「リアルタイム字幕放送」と呼ばれる入力方式があるそうです。実際にオペレータさんがリアルタイム入力している…速記人みたいにお一人ではなく、複数名のオペレータさんが組んで入力、変換、チェック、配信等の作業を実施しているとのことです。

最近は、自動的に音声認識を実行してくれるAIのディクテーション作業が、リアルタイムでかなり正確に聞き取り、正しい漢字変換してくれる様になってきたかもしれません。でも、台本のない生番組で、完全に日本語音声の自動化というのは…まだまだ難しいかもしれません。今後は、リアルタイム音声認識番組向きの、あまり早口でない実況アナウンサーや解説者の方が、生放送番組に呼ばれるのかもしれません。まだまだ、テレビ放送向けの正しい日本語に詳しい担当オペレータさんが、AI作業に誰か付きっきりで見張っている必要もあるのでは…と思う次第です。